みなさんは日々の仕事で、仮説を立てて物事をとらえていますか?
マーケティングを実践する上でも「仮説を立てる」ことはとても重要です。いくらマーケティングの手法を知っていても、その前提となる仮説が間違っていれば、どんな施策もうまくはいかないからです。
仮説を立てることが大事だとわかっていても、正しい方法を理解できていない方も多いのではないでしょうか。納得感のある仮説を導くにはコツが必要です。
本記事では安宅和人著「イシューからはじめよ」を参考に、仮説を立てるうえで最も重要とされる「イシュー」とはなにか一緒に紐解いていきます。
目次
イシューとは何か?
まず初めにイシューの定義です。多くの方は単に「イシュー=問題」と捉えているのではないでしょうか。しかし著者の安宅和人さんはこれでは不十分だと考え、書籍の中でイシューを「今本当に答えを出すべき問題」(P34)と定義しています。
安宅和人さんは、イシューにも良し悪しがあると考えています。ではどのように「イシュー」を捉えると、最も効果的なのでしょうか。
イシューが特定できないとどうなる?
イシューを正しく特定できないまま、仕事を進めるとどのようなことが起こるのでしょうか?
正しくイシューを特定せず仕事を進めると、効果的な結果が得られないばかりか、やったことが無駄になってしまうこともあります。
安宅和人さんはそれを最も避けるべき「犬の道」と呼んでいます。「犬の道」とは、解くべき解の質や、イシューの度合いを考えずに、闇雲に量だけをこなして、バリューを出そうと空回りすることです。
正しくイシューを分解する
「犬の道」から脱却し、正しい仮説を立ててられるようになるために、「イシューの分解」を意識して日々の業務に取り組んでみてください。
ここで大事になってくるのはイシューの切り方、つまり「本質的に意味のある固まりで被りや漏れなく(MECE)分解する」ということです。イシューの分解と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、大半のイシューは決まった型(フレームワーク)で分解でき、さらにビジネスの世界で最も使い勝手がいいのは、「Where」「What」「How」に分けることだと安宅さんは述べています(P113)。
具体的な例として、自分の会社で「部署の事業戦略を立ててほしい」とお願いされたときのことを想像してみてください。「事業戦略」といわれても、どこから手を付けるべきか戸惑う方も多いのではないでしょうか?そこで登場するのが「Where」「What」「How」です。
安宅さんの言葉を引用すると、
Where…どのような領域を狙うべきか ⇒ 「市場を含む事業環境の構造的な理解に基づき」
What…具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか ⇒ 「自社の強みを生かした継続性のある勝ちパターンを明確にし」
How…具体的な取り組みをどのように実現していくべきか ⇒ 「一貫したビジネスの取り組みとしてまとめたもの」
ということになります(P113)。
「事業戦略」という大きなイシューを、一段階具体的なイシューに落とし込むことで、取り組みやすくなったのではないでしょうか。
得られる効果
安宅さんはこのような切り方をして、イシューを分解することで得られる効用は2つあると述べています。
1つは課題の全体像が見えやすくなるということ。そしてもう1つは分解後のイシューの中で優先すべきものとそうでないものを見極めることができ、業務効率性が高まるということです。
加えて、イシューを分解した後のものもイシューであるということに変わりはないので(安宅さんは本書内でサブイシューと呼んでいる)、それぞれに仮説を立てて物事を緻密に進めていくのが大事だと述べています。
さらにイシューの分解をより洗練されたものにするためには、自らの経験や知識に基づいた視点を型に入れ込むことで、イシューに対する理解がより強固なものになります(P114)。
終わりに
今回は仮説を立てる際に最も重要だとされる「イシューの捉え方」に関してまとめてみました。「イシュー」をしっかり捉えることで、より洗練された仮説を立てて日々の業務の生産性をあげることができます。
イシューを正しく捉えることは一朝一夕でできるものではありませんが、身に着ければ必ず武器になるので一緒に頑張っていきましょう!
ここまで読んでくださりありがとうございました。