皆さんは自分の思い込みで仕事を進めて、失敗してしまった経験はありませんか?
私はそのような経験があります。
普段マーケティング関連の仕事していますが、マーケティング戦略を立てる際に「サプリを利用するメイン層は40代女性に違いない」という勝手な思い込みをしてしまい、ペルソナを外してしまいました。
私がしてしまったような思い込みの裏には「メタ認知」が深く関係していることがあります。今回は「メタ認知」を苦手とする人に向けて記事を書きたいと思います。
目次
メタ認知が苦手な人の特徴
皆さんの中に、仕事で「それは思い込みじゃない?」と指摘された経験がある方もいるのではないでしょうか。
マーケティングを実践する際には、自分の思い込みをなくし、顧客の想いや声を正確に読み取ることが重要です。
あなたが周りから以下のように言われたことがあれば、「メタ認知」を苦手としているかもしれません。
①思い込みで仕事を進めている
②根拠のない決めつけをしている
③他人の話を聞かず一方的に話している
メタ認知とは
そもそも「メタ認知」とはどのようなものなのでしょうか?
細谷功著「メタ思考トレーニング: 発想力が飛躍的にアップする34問」には以下のようにあります。
人は誰でも、事実をありのままに見ているようで、無意識のうちに自己中心的なバイアスをかけてしまっています。
メタ認知とは自らが思考に関してある壁に閉じ込められた状態になっていることに気づくことです。
さらに詳しく述べると、これまでの人生で経験したことや置かれた状況、環境で出来上がった従来の思考に染まってしまっていることに気づくことです。
つまりは、無意識に自分がつくりあげてしまっているバイアスに気が付くことが「メタ認知」なのです。
メタ認知できるようになるには
ではどのようにすれば「メタ認知」ができるようになるのでしょうか?
細谷さんは同書の中で以下のようにおっしゃっています。
「メタ認知」のスタートは自分を客観的に見ることから始まり、「無知」であることを理解または認識することが大切です。
自身が無知であることを認識した後に、自身のメタ認知を向上させるには「何事にもwhyを問う」と「抽象化」することです。
つまりは「メタ認知」の始まりは「相手がおかしい」と決めつけるのではなく、「自分の理解できない世界がある」と思い直して見ることです。そのうえでwhyと問い、抽象化することで、メタ認知できるようになります。
メタ認知をするための思考法の一つである「why型思考」について紹介していきたいと思います。
why型思考とは
それではメタ認知を鍛えるためには、具体的に何をすべきなのでしょうか?
その一つが「why型思考」です。
why型思考とはどのようなものでしょうか?
Why型思考とは、対象となる物事(What)に対して「Why」を考える思考法です。例えば自分の担当する仕事があった時、その「目的」「理由」「背景」「前提」などを考えます。「何のためにこの仕事をするのか?(Why)」を一度考えることによって、最適な問題解決策の立案に結びつけます。
簡単にまとめると、目の前の問題について一度大枠から外れて考え直すことです。
why型思考の実践方法
why型思考を、普段与えられる問いにあてはめて考えてみましょう。
上司から「広告費を事業別でまとめて下さい」とお願いされたとしましょう。
why型思考が備わっていない人は与えられた課題を、ただ言われた通りにやってしまうかもしれません。このような状態のことを細谷さんは以下のように述べています。
こういった思考停止状態はメタ認知に上がれなかった状態のことです。
why型思考を身に着けたうえで依頼に対して「why」と問うことで、「何のために情報を集めるのか?」を与えられた情報だけで上位目的を複数考えて見ることが必要です。引用:メタ思考トレーニング: 発想力が飛躍的にアップする34問 細谷功著
つまり今回の依頼「広告費を事業別でまとめて下さい」のwhyを問うと、費用削減の検討のためと考えられるでしょう。
「事業別」という言葉から事業間で差が見られ、特定事業が突出して高い広告費を使っている可能性があるということが読み取れます。
この問いの上位の目的は「事業ごとの費用対効果と削減目標の検討」という依頼者の目的が読み取れます。
why型思考で、仮説の目的を決めたら、ただデータを集めるだけでなく、「部署ごとの月別の費用」「季節の偏り」「削減のための対策」まで考えてまとめてみると仕事の質や段取りも向上します。
著者は本書でwhy型思考の考え方を以下のように説明しています。
抽象的に「why型思考」を説明すると、中心となる「what」が与えられたとするとその下に、「where」「how」などの他の問いが存在しています。「what」の下に位置する問いを具体化と言います。
「メタ認知」で必要となるのは具体化を考える前に「what」の問いに対してより上位の「why」と問うことでより上位の目線に立って、他の真の「what」を複数見つけることが重要です。
つまり具体的な検討に移る前に、whyと問うことで、一段階上の目線に立ち、真のwhatを複数見つけられるようになるということです。
皆さんも普段の仕事にwhy型思考を取り入れることができれば、きっと仕事での評価や市場価値も爆上げできることでしょう。
終わりに
メタ認知が欠けていると、事実や目的を誤ってとらえてしまうばかりでなく、自分が間違っていたときに、相手の意見を受け入れらずに決めつけてしまうこともあります。その結果、思わぬ損や余計な失敗をしてしまうことも増えてしまいます。
「メタ認知」を鍛えるには、自分を客観的に見ることから始まり、「無知」であることを認識して、日頃から「why型思考」を行うことです。
私自身も、メタ認知ができていなかったせいで、マーケティングのリサーチをしていた時に、顧客の気持ちを想像出来ませんでした。
メタ認知を用いることで、顧客だけでなく、仕事仲間や、友人などの相手の価値観や考え方を今までより柔軟に理解できるようになります。
皆さんも、自分が望むより良い人生を得るために、是非メタ認知を鍛えてみてください。